
El Coco / Love Exciter
ElectroとJazz Funkが交差する、都会派Discoの極致
Rinder & Lewisが生み出した西海岸Discoの傑作
1979年、Discoミュージックがスタジオ実験の黄金期を迎えていた時代に生まれた、まさにその象徴とも言える1曲がEl Coco / Love Exciter です。手がけたのは、70年代後半の西海岸Discoシーンを支えた名プロデューサー・デュオ Rinder & Lewis。Garage Classicとして名高いLustをはじめ、Le Pamplemousse、Saint Tropez、In Search Of Orchestraなど数々のプロジェクトで、ダンスフロアを席巻した彼らのセンスが凝縮された作品です。El Cocoは、いわばGiorgio MoroderによるEuro Disco革命に対するアメリカ側からの洗練された回答とも言えるプロジェクトというスタンス。電子楽器の革新性と、Jazz/Funkの演奏力、そして西海岸らしいスリーキーなグルーヴが融合したそのサウンドは、70年代Discoの中でも特に都会的で知的な輝きを放っています。
シンセとストリングスが描く都会派グルーヴ
聴いた瞬間、まず耳を奪うのは強烈な存在感を放つシンセベース…そこにキレのあるタイトな4つ打ちビートが重なり、妖しく揺らめくストリングスと巧みなキーボードワークがゆっくりとレイヤーを重ねていきます。まるでJazz Fusionのアンサンブルのように精緻に構築されたアレンジは、ダンスミュージックでありながら音楽的な奥行きも存分に感じさせるサウンドっ!中盤から絡み合う華やかなストリングスはまるでベルベットのような質感で、ファンキーな泥臭さと都会的な洗練が絶妙なバランスでブレンドされています。さらに印象的なのが、クールなトラックの上を漂うように重ねられるフィメール・ヴォーカル…囁くように歌われるその声は、楽曲全体にミステリアスでセクシーなムードを与え、まさにタイトル通りLove Exciterというコトバがぴったりの世界観を描き出しています。
9分間で高揚感を積み上げるロング・ヴァージョン
リリックもまた、夜のダンスフロアで高まっていく恋の熱量や官能的な高揚感をテーマにした内容でDiscoの持つロマンティックな側面を象徴する内容と言えるでしょう。9分にも及ぶロング・ヴァージョンは、決して中だるみするコトなく、段階的にフロアのテンションを高めていく設計です。DJがピークタイムに投入したときの爆発力は当時のクラブでも折り紙付きで、NYのダンスフロアでも高く評価されていたと言われています。フックに向かって高揚していく展開は、Discoが単なるダンスミュージックではなく「感情を高める音楽」であることを改めて実感させてくれます。
Disco Electronicaを代表する歴史的名盤
作曲を手がけたのは、Gloria Jonesの名曲 Tainted Love を書いたEd Cobb。Popセンスとダンスフロア志向が見事に融合したそのソングライティングも、この楽曲の魅力を支える重要な要素となっています。Rinder & Lewisの溢れ出るセンスとグルーヴが結晶化した、洗練されたDisco Electronicaの名作。イントロからエンディングまでイッキに駆け抜けるその9分間は、まさに70年代Discoスタジオの魔法を体験する時間と言えますよ。

